内視鏡は事故が生ずる可能性が極めて高い?
「胃がん検診で間接撮影をうけるくらいなら、最初から内視鏡検査をしてもらうほうが見落としは少なくなるでしょう。しかし内視鏡は前述のように、事故が生じる可能性がきわめて高いので、からだにたいする危険は増えていきます」(85ページ)
「前述のように」とは「いわゆる内視鏡的治療をふくめ」た消化器内視鏡検査(50ページ)の事故率・死亡率のことです。したがって胃ガン検診の事故の可能性を指摘するのには適切ではありません。
消化器内視鏡検査は内視鏡的診断と内視鏡的治療に分けられます。また胃内視鏡と大腸内視鏡に分けられます。内視鏡的診断は内視鏡的治療より事故率・死亡率は低く、胃内視鏡は大腸内視鏡より事故率・死亡率は低いのです。胃ガン検診で行なわれる内視鏡検査は、消化器内視鏡検査のなかでも最も事故率・死亡率の低いものです。これを消化器内視鏡全体と比較すると、事故率・死亡率はともに6分の1になっています。
したがって「胃がん検診は事故が生じる可能性がきわめて高い」というのは、誤りです。
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