前回のコラムでは、セラバンドというリハビリ用アイテムを使用して肩のインナーマッスルや関節を調整する方法をご紹介しました。
今回は、股関節のインナーマッスルの調整法をご紹介します。股関節というと、開く=開脚することが骨盤やO脚の矯正になったり、冷えやむくみを解消したりするので、健康には良いと言われてきました。開脚に特化した健康本も人気があるようです。
しかし、開脚の柔軟性を向上させても骨盤の矯正にはつながりません。単純に開くだけでは骨盤の左右のバランスは解消されず、骨盤が歪んだまま股関節だけ柔軟になるので、股関節の亜脱臼を引き起こします。開きすぎると骨盤前部の恥骨が歪み、脚の付け根の「引っかかり感」が増長されます(http://melmaga.toy-hoken.co.jp/karada/2014-08-20-1212.php参照)。
骨盤に付着している股関節の骨頭部(こっとうぶ)は球状なので、開脚方向(外転(がいてん))だけでなく、内側(内転(ないてん))や回旋方向(外旋・内旋)、脚の前方(屈曲)、後方(伸展)にも動きます。股関節だけ一方向に広げようとすると、関節の形状は歪(いびつ)になり、炎症や痛みを引き起こしてしまいます。また股関節は、骨盤を含む胴体と連動した動きを伴わないと、身体機能の向上にはつながりません。
そもそもO脚や冷え・むくみの原因は糖の継続・過剰摂取なので、食生活を変えないと改善しません(http://melmaga.toy-hoken.co.jp/karada/2014-04-18-1177.php参照)。骨盤は自転の影響で必ず歪むので、ストレッチを行ってもすぐに元に戻りますし、歪んでいても弊害はありません(http://melmaga.toy-hoken.co.jp/karada/2015-07-20-1318.php参照)。
肩関節同様、股関節を単独で動かして身体機能を向上させたり痛みを改善させるには、インナーマッスルを効果的に鍛える必要があります。
椅子に座り、セラバンドを足首に巻きます。
1. 椅子と脚をセラバンドで結ぶ
膝を少しだけ持ち上げ、膝から下をゆっくりと内側に少し曲げます。
2. 膝を少し持ち上げる
3. 膝を支点に内側へ曲げていく
ゆっくり戻したら外側にもゆっくりと曲げ、またゆっくりと戻します。
4. 膝を支点に外側にも曲げる
股関節の靭帯や恥骨筋、梨状筋等のインナーマッスルを鍛え、関節を正常な位置へ矯正します。
上記1から4を左右の股関節に5回ずつ行います。
▼ 関連記事 こちらもご覧下さい