前回までは関節が石灰化するメカニズム、そして肩関節が石灰化した場合のセルフ対処法である微酸道法をご紹介してきました。
今回下肢への対処法をご紹介して、石灰化シリーズを終わりにしたいと思います。
下半身で石灰化が多いのは股関節です。
以前のコラムでもお話した通り、股関節の問題は、
⑴まず恥骨周辺のリンパ節が炎症を起こすこと、
⑵その炎症と恥骨の歪みによって股関節部の循環不全が起こること、
⑶股関節部の長期圧迫や、それを増長させる誤ったエクササイズ等が原因で、軟骨が変性して石灰化が起こる、ことです。
(以下、過去のコラム参照
http://melmaga.toy-hoken.co.jp/karada/2014-04-18-1177.php
http://melmaga.toy-hoken.co.jp/karada/2014-08-20-1212.php)
理想は
・石灰化が起こる前に、リンパの炎症を早く治めるために、スイ-ツや果物を控えること、
・石灰化が始まると、どんな動作も関節への負担となってしまうため、一旦エクササイズ(筋トレやストレッチ、ジョギングなど)を止めることですが、今回もご紹介する微酸道法はそのような状況でも有効です。
ここで改めて、私が命名した微酸道法についてご説明します。
関節部が石灰化する条件は、リンパと血管の長期間の炎症(酸欠による細胞の代謝不全も引き起こす)、関節軟骨部の変性=糖化、継続的な関節への圧迫、石灰化する材料としてのリン等で、これらの条件がそろってしまった場合に石灰化が起こると述べてきました。
ですから、それ以上の圧迫を取り除き、リンパと血液(=酸素と栄養)の循環を回復するための通り道(リンパ管と血管の圧迫の緩和を指す)を確保することを酸道と命名し、これらの条件を満たすオリジナル対処法を、微細な振動によって循環を回復させ酸道を確保し代謝を促すイメージから微酸道法と名づけました。
ベッドが必要になります。膝から下をベッドから下ろし、リラックスさせます(写真①)。
この時、足を床につけないことがポイントです。
膝から下の脛骨(けいこつ)は床から垂直に降ろします(写真②)。
左右に数ミリずつ揺らします。ごくわずかな振動で充分です。揺れ幅が大きいと、股関節の圧迫が増して酸道が確保できなくなるからです(写真③)。
この左右の動きに前後の微細な揺れを加えると、膝関節の石灰化に対処する微酸道法となります。
セルフの対処法と述べましたが、パートナーの方に微細にユラユラと上肢や下肢を振動させてもらうと、よりリラックスできて関節部位も脱力できるので、更に効果的であることを付け加えておきます。
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