前回のコラムでは、関節部位が変性=石灰化するメカニズムについて解説しました。
今回からは、変性した部位に酸道(酸素の通り道)を確保して細胞の代謝を促す対処法をご紹介していきます。痛みが緩和し、可動域が広がり、肘や指の痛み、痺れ、こわばり等にも有効です。
このコラムでは、肩関節への対処法をお伝えします。
肩の石灰化は、関節の炎症が糖化を招き、そこに長期間圧迫が加わり徐々に関節が変性することで起こります。ですから、その圧迫を取り除いて酸道を作ることで、血液やリンパの循環が回復して炎症も収まっていきます。
ベッドにうつぶせに寝て、トラブルのある側の腕を肩の高さ近くまで持っていきます(①)。肘が90度に曲がるように、脱力した前腕をベッドから垂らします(②、写真では左腕)。上腕の下にタオルなどを敷いて肩より若干高くすることで、胸部が広がり肩関節の圧迫が緩むわけです。
その体勢のまま、脱力した前腕を前後にゆらゆらと揺らします。前後幅1cm位までの微細な揺れで充分です。それ以上大きく揺らすと力が入ってしまい、関節への圧が強くなり過ぎるからです。筋力トレーニングやストレッチも、石灰化した部位には圧が強過ぎて逆効果になってしまいます。
1回5分以上は続けたいところです。1回でも可動域は広がり楽になりますが、変性している場合には、一日に何回でも、回復するまで毎日行います。
次回は下半身への対処法をご紹介します。
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