生活習慣病で多いのが高血圧、糖尿病、高脂血症等です。高血圧なら脳血管障害、糖尿病はあらゆる病気の予備軍、高脂血症は肥満、と二次的障害や合併症の危険性が叫ばれています。
有酸素運動や筋肉をゆっくり伸ばすストレッチは、血圧を下げる、循環器系を強化する、血糖値を下げる、のに効果的だと言われています。
しかし、有酸素運動やストレッチを定期的に行っても、一向に値が下がらない方も多いようです。逆に有酸素運動などを行わなくても、それらの値に問題のない方もいます。つまり運動不足がこれらの数値異常の原因でないし、運動で体質が改善できるわけでもない、と言えます。
血圧が高いのは、交感神経優位な状態が続くことで筋肉や血管が収縮し続け、末端まで血液を送る必要が生じたことで心臓や血管の収縮力が強まったからです。
血糖値について言えば、誰でも運動時には交感神経が優位になって糖が分泌され、糖質を摂取すると血中に糖が分泌されて濃度が上がります。本来は一定まで上がった後、膵臓からインシュリンホルモンが分泌されて血糖値は下がるはずです。しかし、交感神経優位な状態が続くと身体が戦闘体制になり、副腎から血糖値を上昇させるアドレナリンが分泌され、血糖値は高いままになります。
このように交感神経優位な状態が続くことにより血圧や血糖値が上がります。そして、交感神経を優位にする原因はストレスなのです。
高血圧予防に減塩を!と言われていますが、減塩を実践しても高血圧の方はたくさんいます。むしろ減塩により身体が冷えるので、温めるために血流を上げようとして反って血圧が上がるのです。確かに糖尿病の方は糖質過多であることが多いのですが、糖質摂取量をコントロールしてもなかなか血糖値が下がらない方もいます。
ストレスを抱えている限り、根本的に“交感神経の割合=自律神経のバランス”は安定しないのです。
運動は交感神経を優位にします。ストレスが無ければ運動後はスムーズに副交感神経へと切り替わり、運動中に上昇した心拍も血圧も血糖値も緩やかに下がっていくので問題ありません。しかし、ストレスがあると交感神経優位な状態が続くので、数値は高いままです。
これらの値を問題視して、異常とか病気と捉えて運動や薬などの対処療法で下げようとせず、自律神経は必要があってこの値に引き上げているということを理解し、ストレスに対処することを主眼にすべきです。
値が下がらないからと運動の強度や頻度を上げてしまうと、心臓に負担をかかり、心肥大や虚血性心疾患を併発するリスクが高まります。
薬について言えば、摂取している間は値が下がりますが、継続摂取は交感神経を優位にして身体を冷やし、腎臓や肝臓に負担をかけるので、根治を遠ざけ他のリスクを増長させてしまいます。まして、薬を服用しながら体質改善の為に定期的な運動をするならば、更に改善は望めず、リスクしかないと言えます。
次回は運動とストレスについてさらに解説していきます。
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