肩、首、腰の筋肉のコリ、また腰の筋肉が張るという訴えは一般的に多いのですが、背中の筋肉が凝る、ぎっくり背中、普段から苦しい、というのも実は少なくありません。
世間一般では、肩こりや腰痛の原因は運動不足や姿勢不良、加齢等と言われていますが、このコラムで何度も述べているように、真の原因は内臓不良やストレスから起こる自律神経(交感神経優位)の反射なのです。
確かに、肋間神経痛やぎっくり背中等は、くしゃみや咳、ゴルフ等の運動中またはその後に発症するケースが多いのですが、それ以前に既に中枢となる背骨が神経の炎症により亜脱臼や捻挫(いわゆるズレ)を起こしており、その不安定な箇所に前述の動作の力点が加わって、周辺の筋肉も炎症を起こしたり凝ったりするのが症状の正体です。背骨に繋がる神経は内臓に連結しているので、その元となる内臓の疲れ、炎症または病変等が神経の炎症を引き起こす、というのが背骨の捻挫のメカニズムです。
背中で多いのは、胸椎という背骨の7番、8番目の左側、5番、6番目の右側の捻挫、そしてその2次的な反応である筋肉のコリです。両方とも肩甲骨の間に位置していますね。
前述の左側の違和感は脾臓のトラブルを示唆しています。
免疫に関わるリンパを生成する臓器なので、ウイルスや菌に感染した時、アレルギー反応があるとき、自己免疫性疾患を罹っている方、それらの大きな要因となる砂糖や果糖を頻繁に摂取している方に、高頻度で炎症が起きています。思い煩い、憂い、心配事が続く等のストレスも原因になります。心当たりありますね?
右側は肝臓の疲労が原因で、アルコールや薬、サプリメントなどの常用、活性酸素が出る程負荷の強い運動習慣がある方等に多いです。イライラしやすい、ずっと苦痛を我慢している等のストレスも見受けられます。
以前のコラムで、その対処法として、内臓の反射点の親指爪の生え際の指回しによって自律神経を刺激し、即効的に稼動域を改善する方法をご紹介しています(知って得する身体の歪み「寒い季節は末端から身体をほぐしましょう」 第110話)。その養生法とこのコラムでご紹介するエクササイズを組み合わせると、内臓と骨格の両面からアプローチ出来るので、より効果的です。
今回は背骨や筋肉をエクササイズによってピンポイントで矯正する方法をご紹介します。普段私が行っているオリジナル高等テクニックです(笑)。
まずは座位で両手を頭の後ろで組み、胴体を左右に捻ります。
痛みや突っ張りを感じたら、前述した胸椎の箇所、脾臓や肝臓が疲れている証拠です。
もう一度座位で胴体を左右に捻って背中のチェックを行うと、スムーズに回るはずです。このエクササイズは、気がついたら何度行っても良いですし、違和感がなくても、普段から柔軟性を養い背骨の動きをつける為に行うのもOKです。
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