腰痛の方の腰椎(腰の背骨、5つの椎骨で成り立つ)を触診すると、横から見ると生理的に前方に湾曲しているはずの椎骨が後方に突出して椎骨間が狭くなっている特徴があります。本来腰痛のうち、脊椎すべり、分離症、ヘルニア等はごくわずかで、その他は前述のように脊椎的には前湾でなく後方へスライドして突出しています。
これが示唆しているのは、立位であれ座位であれ、本来の前湾が失われる姿勢を継続しているということです。勿論、背骨を支える筋肉は緊張していますが、筋肉が収縮して緊張している一般的なコリではなく、腰椎が後屈してしまっている=前傾姿勢が原因で、筋肉はむしろ伸張=伸びてしまって緊張状態にある、ということです。
ですから、腰を前屈させて筋肉を伸ばす体操やストレッチは、緊張や湾曲不良を増長させてしまうことになります。
繰り返しますが、ほとんどの腰痛は、既に腰の筋肉が伸びてしまっていて、伸ばす必要があるのは、腰の筋肉の逆側の腹直筋=腹筋です。実際、腹筋が縮まるような低い椅子や前傾姿勢、前屈みの繰返し動作などが腰痛を引き起こしているケースがほとんどです。
腰の筋肉を伸ばすのではなく縮めること、そして腹筋を伸ばすことが、ほとんどの腰痛の対処法となることを心得ておいて下さい。
<写真参照>
痛みがやや強い場合、柔軟性がない方、
高齢の方には、肘をついたお腹伸ばしがおすすめ
腹筋を伸ばすことによって癒着した内臓が広がり、下垂した肋骨が引き上げられるので、姿勢の改善に最適です。ちょっと腰が重く感じられるとき、腰痛予防の為にも、普段から腹筋を伸ばして下さい。
痛みが強い場合は前屈でも後屈でも痛いのですが、骨格矯正をすると、腹筋のストレッチが楽に出来るようになります。姿勢不良と腰痛が慢性化した高齢の方にも著しい効果があります。腹筋だけ伸ばせば大丈夫、と言っても過言ではありません。
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