今回がストレスシリーズ並びに「その痛みにはワケがある」シリーズの最終話になります。
このコラムで取り上げるテーマは、「欲」というストレスの中でも特殊な「自己重要感」です。
日々の中でなんとなく心が苦しい、重いと感じる事はありませんか?
そんなときは大抵自分自身の欲が関わっています。
例えば、
①ちょっと先に待ち受ける事象に対する不安、
②相手の行動に対する不満、
③日々の環境に対する憂い等は、より良い状況、あくまで自分自身にとって完璧な結果を期待してしまうことから生じています。
①ならば、本当は困った事は起こらない、起こる結果には全て意味があるという考え方、
②なら、相手が変わることに期待するのではなく自分の考え方を変えようと思うこと、
③ならば、現在の幸せ、感謝できる事を見つめ直す、というように、自分の余計な欲を考え方次第で取り除くことで、不要なストレスを避け自律神経のバランスを保つ必要があります。
但し、欲の中でも、他者に認められたい、必要とされたいという「自己重要感」という欲求は、考え方+他者への実際行動が必要になる分特殊で、簡単に解決されない欲です。
この欲求は最も大きな割合を占めるストレスとなります。
会社、学校、地域等の中で自分の存在を肯定され、認めて欲しいと常に思うのが人間の本能ですが、特に身内に対する欲求が最も強いようです。
ここで一つ、身内、親類に対して勘違いをせず、考え方を改める例を私なりの見解としてご紹介します。
●親に対する不満・・・
良くも悪くも反面教師として割り切る。現在幸福感がない方は親に対する不満が続いている傾向にあります、生んでくれたことに感謝しましょう。
●子に対する不満・・・
自分の不完全さを棚に上げて、子には自分の思い通りに行動して欲しいと思ってしまいますが、神様からの贈り物だと思いましょう。そうすれば大切に寛容に扱うはず。
●兄弟に対する不満・・・
生物学的に血が繋がっているだけの他人だと思いましょう。理解できない言動も、他人なら仕方ないと思えますし少しは許せます。
●夫婦に対する不満・・・
この世で一番の修行だと割り切りましょう。男性には変わって欲しいと願うが決して変わらない、女性には変わって欲しくないと願うが変わってしまう・・・。
一番して欲しくないことをしてしまう相手なのです。
最も相性が悪いのが相手なので早く気づきましょう。
このように、いくら相手や周りに期待しても、なかなか自己重要感は得られません。
また、この欲求はどんなに褒められても満足する事のない欲です。
そもそもどんな欲にもそういった性質があります。
自己重要感の場合、逆に自分がして欲しい事をし続ければ、その欲求は満たされ幸福感を得ることが出来るでしょう。
相手を褒める、感謝の言葉を常に相手に伝える、行動や働きぶり、考えを認め同意してあげる、笑顔で話を聞いてあげる、大きくうなずいてあげる等を、自分自身の習慣として相手に自己重要感を与え続けるのです。
褒められて悪い気をする方はいません。褒められることに慣れていない方は、初めのうちは戸惑いを見せるかもしれませんが、それでも喜んでいる姿を見ることで、自身が自己重要感に満たされる=幸福感に満たされるのです。
それこそが、欲求というストレスから身体を守リ、自律神経を安定させる最良の処方箋となるでしょう。
※ストレスシリーズ参考文献
「脳に悪い7つの習慣」 脳外科医 林成之
「一流の勝負力」カウンセラー 久瑠あさ美
「人を動かす」 実業家 D・カーネギー
「挫折力」 コンサルタント 冨山和彦
他多数
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