前回までのコラムで、痛みや病気は自律神経のバランスの乱れが原因であると述べました。主に交感神経が優位な状態が続くことを指しますが、それによりホルモン機能の乱れ、ホルモン分泌器官の疲弊、リンパ球の不活性などが起こり、内臓不良を併発して、病気や筋骨格系のトラブルに繋がるメカニズムを説明しました。
自律神経系と内分泌系(ホルモン分泌機能)によって身体を一定の健康状態に保つシステムを、恒常性(ホメオスタシス)と言います。
この恒常性は、ある程度の外的ストレスにも対抗できる自己防衛システムを備えているわけです。
痛みや病気を引き起こす程に恒常性システムが乱れる原因は、精製糖や果糖の常習摂取、栄養の偏り、アルコール、薬、カフェイン、インスタント食品の継続摂取等、飲食バランスの乱れです。
また、睡眠の質の低下、電磁波、太陽を浴びる機会の減少等も要因となり得ます。
そして今回のテーマである心因性=ストレスです。
━━━━━━━━━━━
恒常性システムが乱れる原因の8割を占めるのがこの心因性で、発症するか否かは、飲食と外的要因等+ストレスのミックスによる恒常性の乱れがポイントと言えるでしょう。
誰にでもストレスはかかります。感覚的には心が重苦しい感じ、感情で言うと怒り、思い煩い、憂い、悲しみ、恐れ等を指し、これに驚きや喜びの感情を足して、東洋医学では七情と解説しています。
このような喜怒哀楽の感情は、誰にでも思いがけず起こり得るものですから、この感情が起こるだけでは恒常性システムが乱れて病気にまでは繋がりません。
このような感情をコントロールするのが脳であり、その方が築き上げた精神=考え方がどんな感情を引き起こすか、また引き起こした感情をどれだけ継続させるかを決定します。同じ現象が起きても人それぞれ感じ方や印象は違いますし、その感情にとらわれる期間にも個人差は大きいのです。
ですから心因性=ストレスとは、「恒常性が乱れて各症状が発症するに至るまで、ある感情が一定期間継続、習慣化している心理状態」とここで定義したいと思います。ストレスが病気を引き起こす場合、病気や痛みを引き起こす程にネガティブな感情を習慣化している、と言えるのです。
次回は引き続きストレスについて解説します。ストレスの具体的なメカニズム、またストレスにどう対処すべきかをお話します。一つ言えるのは、ストレスは本人の思い込みなので、その様な思い込みの習慣を別の習慣に変えていくしかない、ということです。
あることがきっかけでストレスがなくなる場合は、そのような「きっかけ」によってすぐに心の状態を切り替えられる方だけがストレスを緩和できるわけです。
▼ 関連記事 こちらもご覧下さい