では、交感神経が優位になると、どの様な現象が起こるのでしょうか。
【2.交感神経優位】
前回のコラムでは、自律神経のうち交感神経と副交感神経の特徴を簡潔に述べました。
・仕事や運動などで緊張しているとき、
・肉体的活動をしているとき、
・そして心理的ストレスがかかっているときは交感神経が優位になり、
それが続き過ぎると・・・
・血管が収縮する、
・鼓動が早くなる、
・呼吸が浅くなる、
・消化器の働きが低下する、
・リンパ球の働きが著しく低下する、
・筋肉が収縮する、
・内蔵の働きが抑制される
といった現象が起きることをご紹介しました。
交感神経が優位になると呼吸が浅くなり、血管・筋肉等が収縮するため、活性酸素と言われる乳酸などの疲労物質が蓄積します。
疲労物質は肝臓で分解されるので、交感神経優位が続くと肝臓に大きな負担がかかります。
【3.活性酸素】
ストレスがかかって活性酸素が発生すると細胞膜が損傷します。その損傷を修復するコレステロールは肝臓等で生成されるので、ますます肝臓は疲労してしまいます。
つまり筋肉のコリ、硬さ、痛みは肝臓の疲れです。臓器が疲れると炎症が起きますが、副腎から分泌されるステロイドホルモンがその炎症を抑制してくれます。
痛みがあるときは決して筋肉トレーニングを行わないで下さい。筋トレは肝臓の疲労、筋肉や骨格の歪みを増長させます。
軟骨の形成にホルモンが深く関わっていますが、成長ホルモンは夜間睡眠時、つまり副交感神経優位の時に分泌されます。
骨密度に関わるミネラルやビタミンDは腎臓がコントロールしますが、交感神経優位で内蔵機能が抑制されている時は充分に働けません。
また、血圧を安定させるホルモンは腎臓から分泌されますが、交感神経優位時には神経を興奮させて血圧を上昇させるホルモンが分泌されてしまいます。このホルモンの分泌や血管の収縮が高血圧の要因になります。
骨、軟骨、脊髄神経、血圧の問題は腎臓の機能低下とも言えます。
腰痛、膝痛などの関節痛は関節の状態と筋肉の圧迫によって起こるわけですから、交感神経優位が続いて副腎、腎臓、肝臓が疲労し機能低下することが根本原因なのです。
交感神経が優位な状態が続くことによって免疫が弱り、リンパ球細胞が不活性になると病気になります。
例えば、ストレスがかかって副腎からステロイドホルモンが分泌され続けると、リンパの働きを抑える免疫抑制機能の発動によって癌等の自己免疫疾患になってしまうのです。
こう考えると、痛みや病気の原因は、交換神経優位 → 自律神経の乱れ → 内臓機能低下によって引き起こされることがわかります。
必要以上に交感神経が優位になり、自律神経のバランスが乱れる最も大きな要因は心因性=ストレスです。
更に、
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●薬の常用
常用は交感神経を優位にし、冷え体質をつくり、リンパ=免疫の働きを低下させる。
肝臓にも負担がかかる。
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●アルコールの常用
肝臓の疲労により筋肉のしなやかさが失われる。
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●睡眠の時間帯
副交感神経が優位に働く時間帯が夜の12時から2時であり、その時間帯を過ぎると回復が遅れ免疫力が低下する。
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●電磁波
交感神経を優位に白血球の働きを低下させる。
送電線の近くにお住まいの方はご注意を。
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●偏った食事
甘いものや、果物は身体を冷やしリンパの働きを下げる。
好き嫌いが多いと、分泌、消化能力が低下する。
動物性タンパク質をバランスよく摂取することが、 細胞の修復し血管を強化する。
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●太陽の光を浴びていない
自律神経を調節する脳神経物質のセロトニンが不足し、 鬱、姿勢不良、冷え、神経痛、便秘、骨粗しょう症を招く。
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●カフェインの摂り過ぎ
交感神経を優位にするので痛みがあるときは避ける。
慢性血行不良となり、冷え体質、不眠を招く。
また、血液の粘性を強め腎臓にも負担をかける。
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といった要因と心因性が重なり症状を深刻にしてしまうのです。
正しい理解が交感神経優位になるのを防ぐことになりますので、次の号では生活習慣病、薬、栄養常識等について言及していきたいと思います。
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