中国の武術・健康法として有名な太極拳に「スワイソウ」という体操があります。簡単な割に多くの効能が望めます。ポイントはただ脱力すること。一見簡単そうですが、これがなかなか難しいようです。
足を肩幅と同じか、やや広めに開きます。背骨を真っ直ぐにして、上半身はできるだけ脱力し、ゆっくりと胴体を左に捻ります。常に両肩と腕をリラックスさせて、でんでん太鼓のように、慣性によって腕が振れるに任せます。
結果として、左手は右のお尻、右手は左の骨盤前面あたりに触れるはずです。今度は右に捻ります。右手は左のお尻、左手は右の骨盤前面あたりに触れるように。
これはあくまでも目安ですので、それを目標に振るのではなく、無意識に胴体を捻った結果、腕がそこまで振られているという感覚が望ましいです。これをリズミカルに、左、右、左…と繰り返します。回数をこなすと、より脱力感がつかめてきます。
頭の中は常に脱力、脱力。これを繰り返すことにより、骨盤の中の仙腸関節、背骨の脊椎関節、肩甲骨、肩関節、股・膝関節などのあらゆる関節が稼動し、左右の筋肉が均等に弛緩し、その結果自然治癒力が向上します。
具体的には、腰痛・下肢痛・肩こり・五十肩の改善促進に効果的です。体幹を捻るので、ウエストの体操にもなります。しっかりした体の軸が形成されれば、歩行を含めたあらゆる運動、スポーツのパフォーマンス向上に役立ちます。ですから、運動前後のウォーミングアップ、クールダウンにも適しています。
回数は、太極拳の養生法では~千回とも言われていますが、最初は50回程度で良いと思います。時間と気持ちに余裕があれば、徐々に無理のない程度に増やせば良いでしょう。何よりも終わった後、気分が爽快になることが大切です。
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