オリンピックに関する前回のコラムで、肩甲骨周辺の筋肉の柔軟性について触れましたが、ダイビングは勿論スポーツ全般において、肩甲骨をいかに柔軟に動かせるかが、良いパフォーマンスを引き出す決め手の一つになります。仮に、紐やガムテープなどで胸囲をしっかり固定してしまうと、走ることもままならなくなってしまいます。デスクワークのようなほとんど静止している状態ではわかりにくいのですが、それでもちょっと体を動かそうとすると、いかに動かしにくいかがわかります。それだけ肩甲骨は、バランスをとるのに欠かせない部品なのです。
しかしながら、普段体を動かす機会が少ない場合、肩甲骨を動かす為の、主に背中の筋肉が硬くなってしまい、久々にスポーツをしようとしても上手く体が動かなかったり、肩や背中のコリ・痛み、五十肩などに悩まされることになります。
肩甲骨のエクササイズについては以前のコラムでも述べましたが、更にご紹介します。
・椅子に座り、または中腰の姿勢で、上半身を床に平行になるくらいまで前に倒します。両腕はだらんと床に向けて下ろします。そこからゆっくり両腕を肩のラインまで引き挙げます。このとき肘が軽く曲がっても構いませんが、挙げる時に脇が閉じないように留意します。そして、肩甲骨がしっかり引き寄せられていることを意識しましょう。
またゆっくり腕を下ろします。最後は背中を丸めても良いでしょう。ここでは肩甲骨は離れていきます。10回行なえばよいでしょう。
・エクササイズが終わったら、今使った筋肉をストレッチします。座った状態で上半身を前に倒し、両腕を伸ばしたまま膝の上で交差させます。肩甲骨は大きく離れ、筋肉は引き伸ばされます。20~30秒行ないます。事前にエクササイズを行なわなくても有効ですが、セットで行なうとより効果的です。
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