前回までのコラムでは、ストレッチを中心にした整体法について述べてきましたが、今回は、簡易な筋力エクササイズによる身体改造法について説明したいと思います。
というのは、身体の硬い方の場合、ストレッチだけではなかなか柔軟性が向上しませんし、時間的・精神的な余裕がない方、ストレッチだけでは物足りない方も少なくないと思われるからです。その場ですぐに柔軟性が向上するのを実感できる3つのエクササイズを選んでみたので、それぞれの目的を意識しながら行ってください。
1.グッドモーニング
(1)立位体前屈テストを行ないます。肩幅くらいに足を開き、膝を伸ばしたまま上半身を前屈していきます。手が床まで届かない方にお勧めです。
(2)そのままの足幅で背筋をしっかり伸ばし、両手は頭の後ろで組みます。
両肘はできるだけ開き、目線はまっすぐに向けます。胸をできるだけ張ったまま、上半身を前屈していきます。この時、腰を丸めないように気をつけて下さい。あまりに辛い方は、膝を少し曲げても構いません。そして、ゆっくりと上半身を元の位置まで戻します。10回が目標ですが、余裕のある方は15回、辛い方は5回くらいでも良いでしょう。
(3)もう一度前屈テストを行ないます。(1)の時より手が下に届くはずです。回数を行なうほどに柔らかくなりますし、背骨を支える腰背部の筋肉を強化できます。重い機材を扱うダイバーの皆さん、腰痛症の方にお勧めです。他のどのスポーツにも有効でしょう。
2.四股踏み・股割り
(1)床に座り、胡座の状態で足の裏を合わせ、股関節のストレッチを行ないます。両膝が床から浮いてしまう方にお勧めです。
(2)足を肩幅より少し広めに開き、そのまま腰を下ろしてしゃがみます。できれば完全にしゃがまず、お尻の位置が両膝より少し低いくらいが最も効果的です。そこまで腰を落としたら、ゆっくりと腰を左右に移動させます。5回から10回くらいで良いでしょう。
(3)再び股関節のストレッチを行ないます。(1)の時より両膝が床に近づくはずです。
洋式トイレの普及により、しゃがむことが少なくなりました。バリアフリーに頼る前に、あえて四股踏みをしておきましょう。大腿部・臀部の強化、股関節・足首の柔軟性の向上、下肢の冷え、むくみに有効です。運動前の準備体操に。
3.腕立て伏せ
(1)立った状態で両腕を後ろに伸ばし、腰の後ろで両手を組みます。背筋を伸ばしたまま、ゆっくりと両手を引き上げます。ほとんど上がらない方、もしくは腕を伸ばしたまま手を組めない肩関節が硬い方に有効です。
(2)床に両手をつきます。肩幅か、それより少し広くても良いでしょう。
両膝は曲げて床につけて構いません。背筋を伸ばし顔を上げたまま、ゆっくり両肘を曲げていきます。両手の位置に鎖骨の下あたりが下りてくれば理想的です。この時、意識は肩甲骨に。しっかり胸を張りながら、左右の肩甲骨を真中に近づけるように行ないます。胸が床についてしまっても結構です。そこからゆっくり肘を伸ばし、元の位置に戻します。女性なら1回でもきついかもしれません。男性は5回から10回は行ないたいですね。
(3)もう一度肩関節のテストを行ないます。(1)の時より両手が上がるはずです。デスクワーク等で前かがみの姿勢が多く猫背が気になる方、肩こり症の方、腕や肩、胸を引き締めたい方にお勧めです。
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