背中に二つある「肩甲骨」は、上半身において重要な役割を担っています。
肩こりがひどい方や猫背の方は、本来上下左右に大きく動くこの肩甲骨の可動性が極端に低くなっています。四十肩、五十肩といわれる症状の方になると、肩甲骨と背中の筋肉が癒着してしまっています。肩甲骨の柔軟性は肩こりの予防につながり、スポーツにおいてもパフォーマンスを向上させる上で欠かせません。トップアスリートは例外なく、肩甲骨が柔軟に稼動し、しかも上手に使えているのです。
まずは自分の肩甲骨を確認しましょう。
片方の腕を背中に回します。この時、後ろに回した側の肩甲骨が少し浮き上がってくるはずです。逆の手で肩甲骨の際に触れてみたり、パートナーの方に確認してもらってください。更に肩甲骨と背中の間に隙間ができると合格です。見た目ではわかりませんが、実際に指を入れるとどんどん入っていくはずです。このとき後ろに回した肩は、リラックスしていて下さい。癒着して硬くなっている方は、肩こり症であるか五十肩の予備群だと考えられます。
・フェイスタオルか手ぬぐいを用意します。肩幅より少し広めに軽く握り、両腕を頭の上で伸ばします。両肘をゆっくり曲げて、頭の後ろに下ろしていきます。このとき、顎は引かず目線はまっすぐにして、胸を張って肩甲骨が真中に寄っていくのを感じましょう。両肘をゆっくり伸ばすと、肩甲骨は離れていきます。10~20回。
・頭の上にタオルを持ち上げた状態から、右腕を右耳の横に付け、左腕は軽く曲げます。そのまま左に上半身を倒すと、右の脇がストレッチされます。左側も同様に。交互に10回ずつ。
・腰の後ろに両手を回して重ね、そのまま壁に背中を付けます。両肘をゆっくりと後ろに引いて、胸を開いていきます。このとき、肩甲骨が浮き上がって壁に触れます。10~20回。
・両腕を脱力して下ろした状態から、両肩をまっすぐ引き上げます。上がりきったら、両肩をそのまま後方に引いてからゆっくり下ろします。肩や腕ではなく、身体の前面は胸部から、後面は肩甲骨を含んだ背中の広い範囲を意識しましょう。肩甲骨が上下左右に大きく動きます。20回。
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