慢性的な首の凝り、頭痛持ちの方の多くは、前回まで掲載してきた骨格の歪み、筋肉のアンバラスが原因であると同時に、歯の噛み合わせも例外なくずれてしまっています。上顎と下顎がぴったりと噛み合っていないと、物を噛むための咀嚼筋やこめかみの部分の側頭筋、頭を支える首の胸鎖乳突筋といった筋肉が、緊張し収縮してしまいます。これらが原因で、頭蓋骨の縫合のバランスが崩れ、顔の表情が左右不均等になったり、頚椎が歪んで頭痛などが起こってしまいます。更に症状が進むと、口を開けたときに顎に痛みを感じたり、物を噛むときに奥歯のあたりでジャリジャリと音がするような直接的な影響も及ぼしてしまいます。
ただでさえ重い機材を背負って、肩や首が凝ったり、腰に負担がかかるダイバーの皆さんは、今まで述べてきた骨盤のバランスと同時に、顎関節のバランスもチェックされることをお勧めします。
まずは鏡で自分の表情筋をチェックします。
・頬の筋肉がどちらかに収縮して、皺が多かったり、下唇が上唇に合わさっていないかどうか。
・歯を閉じたまま「イーン」と口を開き、上下の歯の噛み合わせを確認する。
・ゆっくりと下顎を左右にずらしたときに、ずらしにくい方や痛みを感じる方がないかどうか。
・大きく口を開けると痛みを感じたり、カクっとずれる感じがあるかどうか。
以上の項目で一つでも当てはまるものがあれば、あなたの顎関節はずれてしまっています。
今回の対処法は、左右の頬や咀嚼する筋肉のバランスを均等に整えることを目標とします。
下顎をゆっくり左右にずらします。更に手で顎を押さえ、ずらす方向に軽い抵抗をかけます。ずらしにくい方にだけ抵抗をかけても構いません。何度か行なうとずらしやすくなってきます。1日に一度、3~5回を1セットにして行ないましょう。
口を閉じたまま奥歯をギューっと噛み締めると、えらのあたりにぽこっと筋肉が盛り上がるので、そこに片方ずつ指圧をします。人差し指と中指の2本を使い、指の腹で1~2分続けて押します。最初は触れる程度に、そして徐々に押し込んで行きます。この時、口はリラックスした状態にします。
左右にゆっくり首を倒して、倒れにくい方に時間をかけてストレッチを行ないましょう。また、今まで述べてきた骨盤や肩の体操も、余裕があれば行なってください。全ての骨格筋は連動しているからです。
虫歯のある方、抜歯した方、削ったことのある方は、それが原因とも考えられます。噛み合わせのケアをしてくれる歯医者さんで、もう一度治療されることも必要になってくるでしょう。また、いつも同じ方で噛まないように気をつけましょう。
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