今回のテーマは、腰痛の対処法とその予防法です。
一口に腰痛と言っても原因や症状は様々で、病院で精密な検査を受けてもはっきりわからない場合が多いようです。前かがみで痛い場合、後ろに反って痛む場合、長時間座り続けて痛くなる場合、朝起きるときの痛みetc・
・・本当に多様な痛みがあります。
厳密に言うとそれぞれ対処方法は異なりますが、私は、最も多くそして根本的な腰痛の原因は、骨盤の歪みにあると考えています。もう少し専門的に言うと、骨盤の左右にある仙腸関節のずれや動きの悪さが痛みの正体になります。ここが身体の要であり、腰だけでなく上半身や下半身の痛みも、この仙腸関節のアンバランスが引き金になることが多いようです。ですから、どんな種類の腰痛でも、治癒する早さに差こそあれ、この仙腸関節のトラブルが改善すれば必ず痛みはなくなります。現に、椎間板ヘルニアや腰椎すべり症などと診断された方でも、骨盤を治療して痛みが和らぐことは珍しくありません。
このメールを読まれている皆さんも、自ら骨盤の歪みを改善し痛みを克服することは、比較的簡単に行なえます。
これまで何度も指摘してきたように、歪みの原因となる普段の癖を、意識して直していくことが基本になります。そして簡単な体操とストレッチを行ないます。毎日続けることはなかなか難しいので、できるだけ簡単にそして短時間で行なえる方法を考えてみました。前回までの内容と重複する部分もありますが、是非試してみてください。
・両膝立て膝の状態から片方の脚を前に踏み込み、逆の軸脚の付け根である骨盤前面に伸びる感覚が得られるまで反らせる。これを左右各30秒~1分行なう。その後、お腹を伸ばすイメージで両脚を後ろに伸ばし、痛くない範囲で背中を反らす。
・長座(両脚を前に伸ばしお尻をついて座る体勢のこと)の姿勢から片方の膝を曲げ、そのまま外側に倒す。伸ばしている腿の裏が硬いと感じられる方を、もう少し入念に伸ばす。所要時間は上記と同様。
・仰向けの状態から両膝を90度に曲げ、両脚を揃えたまま左右にゆっくり倒す。倒して痛みを感じる方や倒しにくい方があるはずなので、それと反対側に、つまり楽な方にだけ、ゆっくり大きく粘り強く繰り返し倒す。15回~30回。特に、テニスやゴルフなどでいつも同じ側の筋肉を酷使される方は、その差が顕著なので注意!(アフターケア軽視の場合)
以上のストレッチや体操で左右差を感じたら、それだけ歪んでいる証拠です。痛くない範囲で無理せず行ないましょう。一つ目のお腹を伸ばすストレッチは特に重要です。治療においても、骨盤前面の筋肉には必ず対処します。ここの緊張が緩むと、身体の前後屈が楽になります。
予防法も上記と同じ内容です。よく腰痛体操で、腹筋と背筋を鍛えなさいという指摘がありますが、左右前後のバランスがとれていて適度な柔軟性があれば、特に筋肉を鍛える必要はないと思います。
どうしてもやりたいなら、バランスが崩れない方法で行なう必要があります。
ノーマルな筋力トレーニングは非常にバランスを崩しやすいので、痛みがなかなかとれない場合は、それが原因であることが多いのです。
・バンザイをして仰向けの状態から、ゆっくり息を吐きながら右肘と左膝を近づけお腹を縮める。次に左右逆に行なう。10回~20回。
・四つんばいの状態から、右腕を前に、左足をそのまま後に伸ばす。高さは背中と平行に保ち、2秒間静止してバランスをとる。左右交互に行なう。10~20回。
腹筋と背筋はこれで充分でしょう。もし行なうなら、先に筋トレ→ストレッチが良いでしょう。
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