●なぜガン検診を憎むのか
本の表紙カバーには「専門医が教える本当の話」などと書かれていますが、本当は著者は、ガン検診の専門家ではなく、肺ガン、胃ガン、大腸ガンについての知識も不十分だと思われます。
ガン検診の3つの柱は肺ガン、大腸ガンです。しかし、近藤氏は放射線科の先生です。検診の専門医でもなく、呼吸器や消化器の専門医でもありません。
じっさい本文には「そういう事情があるからこそ、検診の専門医とよばれないわたしが論評する必要があるわけです」(202ページ)と自ら暴露しています。
そのためか、本文には専門家でないための誤った認識が多数あります。
●ガン検診を絶対に受けるべきではありません?
「はっきりいいましょう。がん検診には、まったく意味がありません。百害あって、一利なしです。読者の方は健康な生活を送っていきたいのなら、がん検診を絶対にうけるべきではありません」(23ページ)
このように、すべてのガン検診は全く意味がなく、絶対に受けるべきではないと断言するためには、少なくともすべてのガン検診について、正確で十分な知識が必要なはずです。
臨床の場で実地にやったこともなく、他人が書いた2、3の論文を自分なりに解釈した(しかも間違っている)ところから結論づけていい問題ではありません。
このような発言は、およそ科学者の発言とは思えません。
▼ 関連記事 こちらもご覧下さい