いわゆる内視鏡的治療もふくめます?
「1983年から87年までの5年間に、440万件の消化器検査がおこなわれ、1617件の事故が生じています(10万件あたり24人)。死亡例もたくさんあります。その全国調査では、なんと119年が偶発症で死亡しているのです」(52ページ)
「なお、ここで消化器内視鏡検査というなかには、たとえば胃や大腸の早期がんを発見してその病変全体を内視鏡を見ながら切除する、いわゆる内視鏡的治療もふくめます」(50ページ)
消化器内視鏡検査での事故率や死亡者の率は、検査内容によって大きく異なります。胃ガン・大腸ガン検診の事故率を論じるとき、内視鏡的治療を含めない内視鏡検査、すなわち内視鏡的診断についての事故率を考えなければならないはずです。内視鏡的治療を含めて考えてはいけません。
内視鏡的治療の中には、すでにガンだとわかっていて、リスクを承知で、そのリスクを上回るメリットがあると判断して行なうものもあります。
そういうケースは別にして考えないといけないからです。
このことは近藤氏の著書の中でも次のように書かれています。
「消化器内視鏡での事故や死亡の率は、どのような内容の検査をおこなうかによって異なります」(59ページ)
「内視鏡を診断目的ではなく、治療目的に使う場合も危険です。内視鏡的治療による事故は10万件あたり430件(0.43%)と、診断目的の場合の40倍にもなっています。また、全国調査での全部で119人の死亡のうち、すくなくとも60人は治療に関連した死亡のようです。治療目的の総件数は11万5千件ですから、治療目的の場合の死亡率は0.05%となり、2千人に1人が死亡するわけです」(59ページ)
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