大腸ガンを引き起こす悪玉菌とは、いったいどんなものなのでしょう。
腸内菌にはひじょうに多くの種類があるのですが、大別すると、乳酸菌と腐敗菌とに分類されます。
乳酸菌は主に炭水化物を食べる善玉菌で、腐敗菌はタンパク質を食べ(分解し)て人間にとってさまざまな有害物質を作るので、悪玉菌と呼ばれます。
腐敗菌がタンパク質を分解すると、アンモニア、硫化水素、フェノールアミン、インドールといった物質ができますが、オナラや便の悪臭は、これらが原因になっています。
臭いだけならまだしも罪は軽いのですが、このうちフェノールアミンやインドールは、大腸ガンを引き起こす発ガン物質なのです。
さらに、大腸内では他にもガンを引き起こす物質が作り出されています。
それは二次胆汁酸です。胆汁は、主に脂肪を消化する消化液で、胃に脂肪を含んだ食物が入ると、自動的に分泌されます。脂肪の量に敏感に反応する特徴があり、肉など脂肪の多い食品を消化するときは、胆汁の貯蔵場所である胆嚢の活動が盛んになります。
胆汁酸は、小腸で脂肪の消化を手伝い、それを終えると一部は吸収されて、製造元である肝臓に戻ります。しかし、食べた脂肪の量が多いときは、分泌された胆汁量も多くなるために、その一部が大腸に流れ込んでしまうのです。
大腸の中にはウェルシュ菌や大腸菌といった腐敗菌があり、これらが流れ込んだ胆汁酸に作用することによって、胆汁酸は二次胆汁酸に変換されます。
この二次胆汁酸も、また恐ろしい発ガン物質なのです。腸内の細菌叢を善玉菌に変えることは便秘治療の第一歩ですが、同時に大腸ガン予防の重要な第一歩でもあるのです。
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