悪玉菌は、人間にとって有害な物質を作りますので、悪玉菌の多い腸は、有害物質や有害ガスで汚染された腸といえます。
有害物質は大腸粘膜の豊富な血管から血液中に溶けて、全身に運ばれます。
有害物質が肺から排泄されれば口臭になりますし、皮膚から排泄されたら体臭や肌荒れの原因になります。
「汚い腸」は、腸の中だけでなく、全身を汚してしまうのです。
では、どうして菌交代は早くなったのでしょう?
1)食生活の欧米化
大腸ガンや便秘のときと同じく、ここでも食生活の欧米化が原因です。
悪玉菌は、タンパク質を栄養として生きていますので、肉食中心の人の腸内に多くいます。米や芋、豆など炭水化物食が中心の人には、炭水化物を栄養とする善玉菌が多くいます。食事の内容が欧米化すると、早い時期に菌交代が起こってしまいます。食物繊維の摂取量が少ないことも菌交代を早める一因です。
2)ダイエット
また、ダイエットも菌交代を早めます。なぜなら飢餓状態は、大腸の中の便を空っぽ同然にしてしまうからです。大腸の中には、ふつういつも2キログラム以上の便があり、そのおよそ半分は腸内細菌なのですが、ダイエットをして飢餓状態になると、腸が空っぽになります。100兆あった善玉菌優位の腸内細菌が少なくなると、その後で分布が一気に悪玉菌優位に傾いてしまうのです。
3)下剤の濫用
下剤の濫用も同じ理由で、菌交代を早めます。便秘のあと下痢状態になるわけですが、このとき便と一緒に善玉菌も排泄してしまい、腸が空っぽになってしまうのです。
善玉菌が少なくなると、悪玉菌が一気に勢力を伸ばします。
4)抗生物質の濫用
このほかに、抗生物質も菌交代を早める大きな原因となっています。
風邪でも何でもちょっと熱が出ると、すぐに抗生剤が処方されます。確かに悪い菌は死にますが、口から飲んだ抗生剤は腸の中も通りますので、腸内細菌もみんな死んでしまうのです。善玉菌がいなくなると、すぐ悪玉菌が増えるので、便秘になりやすくなります。
急にひどい便秘になった人に聞くと、ちょうどひどい風邪をひいて医者に行き、抗生剤を処方されたという人が少なくありません。抗生剤の濫用は、腸内フローラを激変させてしまうのですが、処方する医師の側にはそうした問題意識がほとんどないのが現状です。
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