検査の日までしばらく便秘で、当日下剤を飲んでも全然出ず、お腹が張ってきたという人は、早めに看護婦さんに言って浣腸をしてもらいましょう。
最初1回目の排便があるまでは、飲んだ分の下剤が全部お腹に溜まるのでお腹が張って苦しくなりますが、一度硬いのが出れば、その後は水状のものが連続して出てくるようになり、必ず楽になってきます。
余談ですが、実は腸洗浄剤には2種類あって、一つはまるでポリバケツを溶かしたような臭いの液体。飲み物とはとうてい思えない味のものです。もう一つは、ポカリスエットのような味。ふつうの飲み物の味です。
私が自分で両方使ってみた感じでは、両者の洗浄効果に差は見られませんでした。
前者を使っている病院で、検査をしている医師に下剤の味を尋ねたら、「飲んだことがないから知らない」と言うのです。医療スタッフみんなを集めて試飲会をしたら、翌日から普通のスポーツ飲料味の下剤に代えることになりました。以前、大腸内視鏡検査を受けようと思ったが、下剤が飲めなくて中止したという方がいたら、まともな味の飲みやすい下剤もあることを知っておいてください。
ところで、この腸洗浄は検査の前の準備だけでなく、治療も兼ねているのです。
腸をきれいにすること自体が大腸ガンや便秘の予防になります。腸内細菌叢のところでも述べましたが、大腸内にある細菌は、だいたい常時1キログラムほどあり、数にして100兆個もあります。赤ちゃんのときは善玉菌優位ですが、年をとるにつれてだんだん悪玉菌優位に変わって、大腸の中で発ガン物質を作ったりします。
そうした悪玉菌を全部出し切ってきれいになるのは、こうしたときしかありません。
検査後、すぐに善玉菌の代表であるビフィズス菌とオリゴ糖を大量に飲むことで、大腸の中の細菌叢を一気に変えることができるのです。
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