最近、ガン保険がずいぶん大きく宣伝されています。
大腸内視鏡検査をやってポリープが見つかり、もしガンだった場合、こうしたガン保険は適用されるのか、という質問をよく受けます。
私が検査をしたケースで、以前、こんな方がおられました。
中年の女性なのですが、人間ドックで検査を受けられた時、ポリープが見つかったので切除して病理検査をした結果、早期ガンだったことがわかりました。
「ガンがあったけれど、早期だったし、すでに切除してありますから100%大丈夫です」と言うと、その女性は「検査の前にガン保険に入っていたので、診断書にそう書いてほしい」と、書類を持ってきました。
保険のことにずいぶん詳しい方で、あとで聞くと保険外交員だったそうです。
この方は、命拾いをしたうえに、しっかりと保険金まで手に入れたわけです。
ところが、ガン保険といっても、商品によっては「粘膜内ガン」に対しては保険が下りないものもあるようです。
大腸早期ガンは、たいていガンが粘膜内にとどまる「粘膜内ガン(上皮内ガン)」で、もしこれなら内視鏡治療で100%助かります。手術も内視鏡によるポリペクトミーですから、検査中に見つかったらその場で切除でき、たいていの施設ではそのまま家に帰れます。家族だって、まさか今日大腸ガンの手術をして帰ってきたとは気がつかないでしょう。
ただ、この「粘膜内ガン」は頻度が高いこともあるし、治癒率が高すぎるためか、ガン保険が下りないということもあります。
ガン保険に入っている方は、一度契約書を見て「粘膜内ガン(もしくは上皮内ガン)は除く」と書かれていないか確認してみてはいかがでしょう。
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