■穿孔-穿孔する前には苦痛がある。苦痛を越えたところに穿孔があるのだから、苦痛のない検査を行なう。「水浸法」と「プル法」は苦痛を与えず、穿孔を起こさないための方法論です。
■出血-ポリープを取った人全員にあらかじめ止血処置をしておく。「転ばぬ先の杖」
■麻酔-かけなくても痛くないので、まったくかけないか、かけてもわずかにしておく。常に呼吸に状態をチェックするモニターを取り付ける。
■落下-ベッドの前後に必ず人がいるようにする。
■ガス爆発-「水浸法」では、挿入時にガスをすべて抜くので心配ない。
■機械の故障-日頃の手入れ。臨床工学士さんの仕事をマニュアル化する。
■鎮痙剤の副作用-注射前のチェックをきちんと行なう。看護婦さんの仕事をマニュアル化する。
たしかに大腸内視鏡事故は、胃カメラに比べると事故率が高いですが、ほとんどは術者の操作の未熟に起因するもので、ベテランが行えば、事故率は胃カメラと変わらないと思います。
私が行なった検査1万例の中で大きな事故はなく、見つかった大腸ガンは300例あまり。そう考えると、大腸ガン予防にとって大腸内視鏡検査は、きわめてリスクが低く、効果が高い検査法だといえます。
ベテランの医師で、麻酔を使わず、苦痛のない検査をする技術があれば、事故の可能性はきわめて低いと思います。
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