現状では、35歳以上の人が2年に1回大腸内視鏡検査を受けるという理想を達成するのは無理です。では、現実的な妥協点としてはどうか。
「40歳以上の人は、5年に一度大腸内視鏡検査を受け、検査を受けない年には便潜血検査を受けてもらう」というのが、専門医としては最大限の譲歩案です。そうだとしても、まだ専門医の数は全然足りない。
内視鏡の専門医がいる病院では、胃カメラと大腸検査の比率は2対1がふつうです。
胃ガンと大腸ガンの死亡者数がほぼ並んでいて、胃カメラは毎年の検査が理想、大腸ガンは進行が遅い分、2年に一度の検査でもいいということで、この数は理にかなっています。
内視鏡の専門家がいなければ、大腸内視鏡検査が実施される比率が低くなります。つまりそういう病院は、それだけ大腸ガンを見落とす可能性が高くなります。
大腸内視鏡の専門家がいない病院は、なるべく大腸の検査をしない方向へ患者さんを誘導していきます。そういうとき、患者側としては、別な病院や専門の医院に行ってみるという自衛手段を講じなければなりません。
胃カメラを2回以上受けたことのある人で、大腸の検査はまだ一度も受けたことがないという人も、検査を受けることを考えてみてください。
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