しかし、大きさでおよその予想はつきます。直径が1センチメートル以下ならまず大丈夫でしょう。しかし直径が2センチメートルを超えるとガンの疑いが濃い。
とはいえ、ポリープを発見したとき、どんなに小さくても私は基本的に切除するようにしています。
ポリープは、時間がたてばだんだん大きくなり、段階的にガンに近づいていき、最終的には、ガンになってしまう可能性があります。どうせ取るなら、なるべく小さいうちに取ったほうが安全です。
また、サイズは小さいのにガン化しているポリープもあります。こういうのは、見ただけでは分からないので、小さいものも切除しておいたほうが安全なのです。
「大きいのは取ったが、小さいのは大丈夫だから次回とりましょう」という医者もいますが、その間に大きくなって、ガン化しないか、心配で生きた心地がしません。
精神衛生上も全部とっておいたほうが安心でしょう。
ポリープを取るときには、熱をかけて切り取るので、周りの細胞も死滅します。ポリープの細胞を一つでも残さないためです。このため、正しく取られたポリープのあとから再発することはまずありません。
ただ、ポリープができやすい体質の人がいますので、また別な場所に出来ることがあります。そこで、定期的な検査が必要になるわけです。
ポリペクトミーはお腹を切らない手術です。大腸粘膜には知覚神経がないので、切除時に痛みはありません。施設によって違いますが、だいたい入院せずに検査とポリープ切除ができ、そのまま帰宅できます。いわゆる日帰り手術の一つです。
費用は、保険が適用されれば二万円ほどですが、これだけで早期ガン治療ができるのですから、患者さんのメリットは大きいと思います。
切除したポリープは、顕微鏡でガン細胞がないか調べてみますが、もしガンであったことがわかっても、完全に取り切れていたときにはこの治療だけで終了です。
ほぼ100%再発の心配はありません。
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