「年に一度、必ず便潜血の検査を受けていて、一度も陽性になったことがないから、私は大腸ガンのほうは、心配ないでしょう」と自信を持っている人がいます。
しかし、そう思いこんではいけません。実際、内視鏡検査を行ったら、進行ガンが発見されたというケースもありました。
患者さん本人は、「ずっと便潜血検査をやっていて、一度も出なかったのに、なぜ?」とショックを受けていましたが、便潜血検査で陽性がでなければ安心だと思いこんではいけません。便潜血で陽性になり、その結果、大腸ガンが発見できた人は不幸中の幸いだと思って下さい。
ガンになったことは、もちろん不幸なことですが、この検査でガンを見つけられる確率は、せいぜい50%程度ですから、早く発見されたことで、運のいい(生き残れる)半分に入ったのです。
「ガンの発見確率50%」の意味を、もう少し詳しく説明しましょう。
便潜血検査では、実は進行ガンであってもその3割を見逃してしまいます。早期ガンの場合だと、見逃し率はもっとひどくて7割にものぼります。
このことが便潜血検査の前に受診者に十分認知されていない状態で検診を実施するのは、非常に危険なことです。
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