三番目は出血、下血です。便に血が混じるのが出血で、痔の症状と紛らわしいために判断を誤ることが多いという難点があります。
排便後、お尻を拭いた時に血が付いていたら下血ですし、便にわずかに血が混じっていても下血です。便器が真っ赤に染まるほどの大量下血というのもありますが、実は、出血量は多くても少なくてもあまり関係ありません。
便にわずかでも血が混じっていたらすべて下血だと思って、すぐに検査を受けてください。少しだから大丈夫だろうなどと、勝手にタカを括らないでもらいたいのです。
普通の人は、お尻を拭いてちょっと出血があった程度では、なかなか検査を受けません。
「あれ、切れ痔かな?どうせ、すぐ治るだろう」などと軽く見てしまいがちです。
もちろん便器が赤くなるぐらい出血があると、たいていその日のうちに血相を変えて病院へ来てくれるのですが、そういう人は、残念ながら、すでに進行ガンになっていることがあります。
ところが、そのくらいの進行ガンであっても、すぐに治療を受ければ、三分の二は助かります。どんな進行段階においても、少しでも早く治療を受けることが大切なのです。
しかし、初めて出血があってから半年とか一年も放っておかれると、今度は他の症状が付随して出てきてしまいます。
たとえば腸閉塞状態になる。大量出血を起こす。救急車で運ばれる・・・。
そんな状況が、出血を認めてから半年後か一年後には必ずやって来るのですが、こうなるとひじょうに危ない。
特に痔の人は、「いつもの痔だ」とタカを括っていたために、大腸ガンの発見が遅れ、死に至るケースが多いことを知ってください。出血に慣れていることがアダになってしまうわけです。
痔からの出血と、直腸ガンからの出血は、専門家でも区別が付きません。もし直腸ガンだったら、半年放っておけば命取りになります。
そういう意味でも、痔は大腸ガンのリスク・ファクターになっています。痔の人ほど、ご用心いただきたいと思います。
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