現代では、脂肪を摂りすぎている人が多いというだけの話であって、脂肪が有害だとは言い切れないのです。脂肪が欠乏している人には、どうしても必要なものです。
そこが、脂肪とタバコの違うところです。
ところが大腸ガンの場合、二次予防-早期発見・早期治療-がひじょうに有効です。
大腸内視鏡検査を定期的に受けてさえいれば、まず100%大腸ガンでは死にませんし、確率は内視鏡検査よりずっと下がりますが、ひじょうに簡単で有効な検診もあります。
極端な話をすれば、たとえ菜食主義者であっても大腸ガンにならないとは言えませんが、検査を受けさえすれば、大腸ガンでは死ななくなるのです。
もし大腸ガンが怖いから、好きな肉を我慢するというのは、あまり現実的な方法でも有効な手段でもないと思います。第一、つまらないでしょう。肉を食べても、内視鏡検査を受けるほうが、大腸ガン死を防ぐ方法としてはずっと確実です。
日本人全体が脂肪の摂取を減らせば、確かに大腸ガンは減るでしょう。しかし一個人に限っていえば、脂肪を食べないから絶対に大丈夫だとはいえません。だからこそ、絶対に有効な大腸内視鏡検査を勧めるのです。
この話は、自動車の任意保険にたとえてみればよくわかります。
日本のドライバーが、みんなもうちょっと運転に気をつけたら、日本全体でみれば、事故の数はかなり減るでしょう。しかし、あなた個人が十分に気をつけて運転しているからといって、絶対事故を起こさない、巻き込まれないとは言い切れないでしょう。だからこそ保険に入るのではないでしょうか。
では次に、大腸ガンの症状、検診、バリウム検査などによる大腸ガンの予防法について、あなたが受診なさる際の注意を含めて、具体的に述べていきましょう。
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