■S状結腸軸捻転
腸の長い人はS状結腸が捻れやすく、ループを描くことが多いのですが、それが完全に360度回ってしまうと、縁日の風船のように根っこが縛られてS状結腸が袋状になり、便が全く通らなくなります。袋状のS状結腸にガスが溜まり、張ってきて激痛が起こります。救急車で運ばれてきて、内視鏡でガスを抜いて捻れを解除してあげると、簡単に整復治療できます。
■腸管癒着症
腸が周りの臓器と癒着してしまっている状態です。
本来、横行結腸とS状結腸は大腸の中で固定されていない部分ですが、手術や腹腔内の炎症によって、固定されてしまうことがあります。捻れたまま癒着していたり、癒着の程度がひどいと、大腸内視鏡を挿入することさえ不可能になることもあります。腹部正中切開をしている人の場合が多いですが、盲腸などで癒着することがあります。お腹の手術を受けた人のうち3人に1人くらいは何らかの癒着があります。
お腹の手術をした後で急に便秘になったときには、腸管癒着が考えられます。この場合は、内視鏡を使っても意図的に整復することは困難です。
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