■大腸下垂
腸が長いことと関連するのですが、胃下垂と同じで、痩せた背の高い人に多いです。
胃に押し下げられて横行結腸というところが下に垂れ込みます。垂れ込みがひどいと、腸が捻れてループを作ります。こういう人は、横行結腸のところで内視鏡が挿入しにくいし、同様に便も通りにくい。当然、便秘の人が多くなります。
対処法としては、腹筋運動、逆立ち、太るなどの方法がいいでしょう。腸の捻れは内視鏡で解除できます。
■腸管走行異常-逆のループ
これも、痩せて腸が長い人に多いのですが、この腸の捻れこそが、生まれついての便秘、何をやってもよくならない便秘の原因だったという場合があります。
腸管走行異常にもいろいろな形がありますが、一番多いのが逆αループです。腸が長い人は、S状結腸が捻れやすいようです。普通は自然なαループに捻れるのですが、逆に捻れた場合、逆αループといってひどい便秘になります。逆αループは便が直腸に行く前に交差するところができてしまい、不自然な形なので、大腸内視鏡を挿入するときにも難しいことが多いです。
そういう人は便も通りにくいわけですから、決まって便秘です。
大腸内視鏡で検査後に抜去する際、逆αループを解除し、整復してあげると、生まれついてのひどい便秘という人でも、その日からウソのように治ります。
また、腸が異常に長い人では、S状結腸がループコースターのように二回転している人もいます。こういう人もたいていひどい便秘です。
とくに腸の捻れがひどいと次の病気になります。
次号、■S状結腸軸捻転と■腸管癒着症が続きます。
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