ヒトの腸の形には「αループ」と「逆αループ」があって、「逆αループ」の腸の人は、まず例外なく頑固な便秘だということ、そして、その便秘は苦もなく解消できるということに私が初めて気づいたのは、ある偶然からでした。
当時、私は全国の徳洲会病院を飛び回り、連日、ハードスケジュールで大腸内視鏡検査をこなしていました。多い日で1日に25件。ふつう1日5件程度ですから、5日分を1日でやってしまうわけです。
おかげで、5年間あまりで私の経験数は、1万件を超えていました。
短期間に集中して内視鏡検査を行ったこの濃密な経験が、私に「αループ」と「逆αループ」の腸があることを教えてくれたのです。
内視鏡検査のあと、結果を聞きに来た患者さんにこんなことを言われました。
「先生、検査をしていただいて以来、あれほど頑固だった私の便秘が、なぜかすっかり治ってしまいました。毎日調子がよくって。それにしても、子どもの頃からず?便秘症だったのに、いったいどうしてなんでしょうね。ともかく本当にありがとうございます」
最初にそんな会話をした時には、「ああ、それはよかったですね」と答えただけで、何も気づきませんでした。私も、「そういうこともあるのかな」という程度で聞き流していたのです。
ところが、全く同じようなことを言う人が、次から次へと出てきたのです。
「生まれつき便秘だったのが、すっかり治ったんですよ」
「先生にポリープを取ってもらったせいなんですかね、お通じがすっかりよくなりまして、本当に毎日晴れ晴れとしています」
そんな人たちが連日のように現れていたある日のこと。私は突然「なんだ、そうだったのか!」と気づいたのです。日本全国を飛び回りながら、日に20人以上診ることも珍しくないほどの密度で検査数をこなしていたので、そうした気づきがあったの
だろうと思います。こういう話を聞くたびに、だんだん確信を持つようになりました。
ポリープを取る取らないなんて関係ない。便秘が治ったのは、内視鏡検査の終了時に、私が腸の形を整えたからだ!と気づいたのです。
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