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●過敏性腸症候群-便秘と下痢を繰り返す
「過敏性腸症候群」とはどんな病気でしょうか。症状としては、下痢と便秘を繰り返すのですが、この疾患の患者さんを検査してみると、大腸に炎症があるわけでもなく、腸内の粘膜も正常なままです。
ただ、腸が精神状態の変化に影響を受けて過敏に動くために起きる症状で、言ってみれば「胃痙攣の大腸版」という感じです。過敏性腸症候群も痙攣性便秘の一種で、腸の動きがよすぎるために腸の中で順に便を送っていく正しい蠕動運動が行なわれず、ただ腸が痙攣しているだけの状態です。
便が腸内でうまく送られず止まってしまうと、水分が吸収されてどんどん硬くなります。便秘によって硬くなった便は、再度起きた腸の痙攣のため、こなごなに壊れて、やっと通り抜けることができるようになります。硬い便が出た後も腸の痙攣が抑まらず、奥の柔らかい便まで排出されるので、今度は下痢になるのです。
原因としては、過度のストレスが引き起こすと考えられています。強いストレスを受けて自律神経の機能が乱れ、下痢をしたり、便秘になったりします。したがって、通勤時の電車内とか会議中など、何らかのストレスがかかったときにこの症状を起こしやすいのです。
もともと腸の動きがよすぎることによる便秘なので、市販の便秘薬である腸管刺激剤を飲むと、むしろ症状を悪化させます。本人としては原因がよくわからないまま、下痢と便秘を繰り返すようになり、いっそう不安感が強くなります。
この病気をめぐる一番の問題は、安易に「過敏性腸症候群」との診断が行なわれていることです。つまり、下痢や便秘を繰り返す人に対して、検査をしないで診断されているのが実態なのです。
大腸ガンも便秘と下痢を繰り返すことがあります。症状だけでは区別できません。
過敏性腸症候群は、大腸内視鏡検査などを行ない、大腸ガンや慢性的な大腸の炎症性疾患などの病気がないことが確認されたうえで、初めて診断されるものでなければなりません。
頻度的に見れば、大腸ガンや慢性腸炎症性疾患などよりずっと多いですが、しかし、医者は占い師でもなければ、予想屋でもありません。ただ当てればいいというものではないのです。頻度が少なくても、もしガンを見落とせば罪は重い。
検査で大腸ガンでないことを確認してから過敏性腸症候群と診断してほしいものです。もし、検査を受けていないのに過敏性腸症候群と診断されたという方は、すぐに検査を受けるようお薦めします。
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