食べ物を消化するのはもっぱら小腸の役割で、小腸の粘膜には無数のヒダがあり、その表面はビロードの生地のように細かな絨毛という毛で覆われています。
一方、大腸はヒダのない”のっぺり顔”で、食べ物の消化・吸収は行なわず、食べ物の残りかすから水分を吸収するだけです。小腸から出てきた便は、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸と移動し、その間に水分が吸収されていきます。
大腸ガンの発生率が最も高いのは直腸で、全体の約60%、続いてS状結腸の約20%、この2つだけで80%を超えています。すなわち、大腸ガンというのは肛門から30センチまでのところに集中していることになります。
いったいなぜ大腸ガンは肛門側に多いのでしょうか?また、長い小腸にはガンが少なくて、短い大腸にガンが多いのはなぜでしょう?
小腸の中を通ってきた食物のかすは、大腸にきたときには、まだ粥状でドロドロしています。この時点で、人間が吸収できる栄養はもうないのですが、細菌にとってはまだ栄養があります。便は大腸を通る間に細菌によって分解されるのですが、その際に有毒物質が発生するのです。また大腸粘膜で水分が吸収されるのに伴って、有毒物質の濃度も高くなっています。そういう「古くて汚い便」が、便秘などでひと所に長居するようになると、ガンが発生しやすくなるのです。
便秘をすると、身体のさまざまな不調や不快感の原因になるだけでなく、大腸ガンが発生しやすくなります。「ただの便秘だから」と気軽に考えず、大腸ガンの危険信号だと思ってなるべく早く根本的に解消する必要があります。
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