ご無沙汰しております。2月以来の登場ですが、5年前に書きました拙書「その便秘こそ大腸ガンの黄信号」(祥伝社刊)より、毎月お届けしたいと思います。よろしければ「その便秘こそ大腸ガンの黄信号」もよろしくお願い致します。
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なぜ、大腸ガンが急増しているのか?
大腸ガンの多い地域と少ない地域を比較してみると、両者の食事内容は明確に違います。
最も大きな違いは、大腸ガンの多い地域では脂肪摂取が多いということです。
脂肪摂取量は、もちろん国や地域によっても大きな差がありますが、同じ地域でも時間軸によって違ってきます。
たとえば、山間部などはタンパク質が摂りづらい地域だったのに、近年、流通が発達したおかげで好きなだけ摂れるようになった、あるいは冷蔵庫に保存できるようになったという、時間軸における変化もあります。つまり、それまでは脂肪摂取量がひじょうに少なかった地域でも、時代によって変わってくるわけです。
冷蔵庫が普及すると、しばらくして大腸ガンが増えてくるのは、どこの国にも共通した傾向のようです。この観点でいけば、大腸ガンは「冷蔵庫病」と言えるかもしれません。
また一方で、食事内容を見てみますと、最近わずか数十年ほどの変化でしょうか、日本では、食事の急速な洋食化が進みました。
たとえば、欧米化した食生活の代表とでもいえるファーストフード店が本格的に日本に上陸したのは1970年代の初めでしたが、以来、ハンバーガーやフライドチキンはすっかり日本人の間に定着しています。
私はことさらハンバーガーやフライドチキンを目の敵にしているわけではありませんが、こういった食べ物が日本人の食習慣を変えたことは間違いないでしょう。そしてその結果、大腸ガンが急増してきているのも事実です。
もちろん、日本人の食事の欧米化という問題は、何もファーストフード好きの若い人たちだけに見受けられることではありません。焼き肉や揚げ物類、乳製品などが食卓に並ばない日がなくなり、日本人の脂肪摂取量はアッという間に増加しました。中高年の方の中にだって、肉類や脂っこい食べ物を好む人は少なくありません。
いずれにしても、日本人の脂肪摂取量はずっと増えてきていて、脂肪摂取量と正比例する形で大腸ガンの発生率が上昇しています。
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