薬局に便秘薬がズラリと並ぶ理由は女性が買い求めるからですが、そこには無計画な食生活と便秘は薬で治そうという誤った考え方が横たわっています。
若い女性に便秘が多いのは、高脂肪で低繊維の食事に原因があります。脂肪は便にならないので、便の量が少なくなってしまいます。
また低繊維食では便の排出がうまくいきません。結果として高脂肪で低繊維の食事は腸内の細菌叢を、ビフィズス菌優位の状態から腐敗菌優位の状態に変化させてしまうのです。
食事だけではありません。働く女性はゆっくりとトイレに行く暇がなく、便意を催しても外ではトイレに行き辛く、排便のタイミングを失いがち。
腸は副交感神経に支配されて働きます。だから仕事で緊張状態が続いたりすると、腸は働かなくなってしまうのです。週1の運動より毎日散歩を。
便秘になると薬でとりあえず処理をする。そのうちに薬が効かなくなってほかの薬にというふうに、とっかえひっかえしてついには医者の下に駆け込む。
これはよくあるパターンです。そういう時に内科医は、その人に当てはまる対処法を探っていきます。水分や食物繊維を摂取できる食事指導と運動を勧め、その量を徐々に増やしていくのです。
食物繊維が、便秘に有効であることを知っている女性は少なくありません。しかし実行できていないのですから、自分でコントロールできるところまで続けます。
運動は、まず歩くことから始めます。歩かない人ほど便秘になりやすいからです。「私は運動している」という人でも、せいぜい週に1回エアロビクスやランニングをしている程度で、これは却って逆効果のこともあります。
激しい運動中に交感神経が優位になって副交感神経が働かず、腸の働きがストップしてしまうからです。
正しい運動は、日常の中で負荷の軽い運動を行うのが一番。ゆったりとした気分で散歩をすることが、あなたを便秘から守ってくれることになります。
次回・第4話は「口臭がひどい時は腸内細菌を疑え」です。
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