先月は、「親御さんが認知症になり責任無能力者となった場合には、配偶者や子供たち全員が監督義務者になる」と記載しました。するとメルマガ配信直後に、高齢者の自動車運転による痛ましい人身事故が相次いで起きました。事故の真相は今後の検証に委ねるとしまして、此処では周りの家族にもっと努力することができたのではないかと提案したいと思います。
幼い頃には父親から自転車の乗り方を教わり、やがて覚えたての自動車運転をコーチングしてもらった思い出のある方も多いのではないでしょうか。その頃は親の運転技量が衰えることなど想像もいなかったでしょう。しかし現実は予告も無くやってきます。ことが起きてしまってからでは遅すぎます。いかがでしょうか、此処で今一度家族間で話題にしてみることから始めてみては。
短絡的にクルマの運転を辞めさせる事は、逆に危険でしょう。車検などで、ガレージにクルマが無いだけでも寂しいものです。クルマっていつの間にか“良き相棒”みたいな存在なんですよね。でも最終目的は、免許証の返納と運転を本当に辞めてもらうことです。そこで、ご両親にも思いやりを持って、普段の生活を分析して不便を理解してあげましょう。
最も不便なことは、買い物や通院でしょうか。タクシーをご利用いただきたいのですが、どうしても節約モードが働いてしまう様です。そこで、交通が不便な自治体では巡回バスなどを走らせて、買い物や通院などの要望に応えています。そして一番大事なことは、子供さんたちが積極的にアシストしてあげることです。ひと月に一度でも、一緒に買い物に行ってもらえたら、どれだけ助かるでしょうか(それよりも、喜ばれるでしょうね)。
スグに返納を迫らないで、運転する行動範囲を相談しあうことは如何でしょう。高速道路は使わず一般道限定とし、交通規制を熟知している近隣のみで我慢していただきます。実質、運転してしまうので人口密度が低くてもリスクは軽減できませんが、高速道路の逆走などは防ぐことができるかもしれません(可能性は残ってしまいますが)。
ご両親は、しばらく電車に乗っていないのではありませんか。路線図も掌握していなければ、電車で出かけようとはしない筈です。切符の買い方、交通系ICカードの便利な使い方などを一緒に乗車して教えてあげると、利用するようになるかもしれません。最近は駅構内のバリアーフリー化が進んできているので、エレベーターが最寄りになる車両番号なども(例:6号車の進行方向先頭ドアだと目の前がエレベーター)事前調査して、導線を確保してあげられると利用度はアップするのではないでしょうか。
この項で進言差し上げたいことは、いきなり「運転ダメ」と否定しないで「今度、一緒に出掛けようね」と楽しみに転嫁する家族の話しかけが大切なのではと提案差し上げたいと心より思っております。話題は運転でも詐欺にも掛かりにくくなるかもしれませんよ。
▼ 関連記事 こちらもご覧下さい