東京・町田の立体駐車場にて、泡消火剤が散乱。公道にまであふれ出て、一時通行止めになりました。
■1.窒息の危険
泡による消火の仕組みは、泡で火災の表面を覆い、冷却及び窒息効果により消化します。よって中に人が入ってしまうと息が出来なくなってしまいます。泡を片付けるために作業する際、泡を水で薄めるなど十分に気を付ける必要があります。
また泡消火剤の成分は6種類あるそうですが、消火能力を高めるために丈夫な泡を作らなければなりません。万が一、子供さんが面白がって中にでも入ったりしたら大変なことになります。近づいてはいけません。
■2.感電の危険
TVニュースでは、泡が噴出している中を無理に走行していく車も見られました。
皆様もご存知のように、ハイブリット車には高圧蓄電池が搭載されています。車がクラッシュしていなくても、大量の泡をまたげば水没した状態と同じになり、車外の通行人に感電させる恐れがあります。事故時に駆けつける消防隊レスキューも、ハイブリット車の場合には電気を通さない耐電シートを覆うことから始め、耐電服や耐電使用のグローブ、長靴を着用しています。
■3.事故の原因
何故このような事故が起こるのでしょうか。駐車場も火災発生のリスクはあり、車両火災でも発生すれば並大抵の消火活動では消せません。そこで消火能力の強力な泡消火剤を噴霧する装置を設置するのですが、あらゆる人がスイッチオンできるように、手が届く高さに設置されています。バルブ式になっており、手で廻さなければ泡は発射されないのですが、トラックなどで後進(バック)する場合に荷台などでこすってしまいバルブを回してしまうのです。納品などで車体をギリギリまで近づけたりする必要があるのでしょうか。
一度、噴霧が始まった消火剤は、ビル管理者が元栓をバルブ閉鎖しない限り、溶剤が無くなるまで噴出し続けます。建物が10階建てでしたら、10階分の溶剤が出尽くします。閉鎖された地下室でこの様な事態に陥った場合、ドアの開閉すら窒息の危険があります。
■4.地震での危険
水だけが出るスプリンクラーは、地震による振動で誤動作することがあります。同じように泡消火剤も誤動作による噴霧が起こりえないとは言えません。
普段からビル管理者主導のもと、消火剤の元栓を閉める動作を確認しておく必要があります。これも大切なリスクマネージメントであります。
■泡消火薬剤 – 日本消防検定協会PDF参照
http://www.jfeii.or.jp/pdf/lecture/03.pdf
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